オルトフォンは、高音質なオーディオ用ケーブルの先駆者として高純度銅や純銀素材、またはそれらを巧みにハイブリッドした製品を30年以上にわたって生産してきました。その時代ごとの最先端素材や、貴金属をも用いた高品質素材を惜しみなく投入し、オーディオ機器間の高品位かつ『accuracy(正確)』な信号伝送を支え続けています。
その中でも、長年にわたり好評を頂いていたエントリーモデル、Reference SPK-BlueがMkⅡモデルにリニューアルすることとなりました。新モデルには一般的な無酸素銅線に比べ高純度で、酸素以外の不純物含有量も極めて微量、かつ電気伝導率にも優れた『C1011 4N-OFC』を新たにハイブリッド用の導体材料として採用。この導体の特徴は、異種金属(例:亜鉛やリン、チタンなど)が配合されておらず、あくまで単一の銅素材としての純度を追求していること、また銅含有量(純度)やその他不純物の含有許容値が日本産業規格(JIS、旧:日本工業規格)において厳格に定められていることによって極めてニュートラルな音色をもち、またレンジ感や音像の定位感に優れていることが挙げられます。
ケーブル導体の純度で音が変わり、それがオーディオシステムのクオリティアップにつながることはかつてオルトフォン自らが世に知らしめたことであり、高純度導体がもたらす音色の素晴らしさは我々のみならずオーディオファイルの皆様もご存じのとおりです。
さらに喜ばしくも、このC1011は無酸素銅としては最高の純度を誇り、かつJISで定められた厳しい規格をクリアしたものだけがこの番号を名乗ることができます。Reference SPK-Blue MkⅡはエントリーモデルではありますが、オルトフォンの理念『accuracy in sound』を現実とするため、この高品位な導体を惜しみなく用いています。そしてBlueでは、C1011と銀メッキ銅線のハイブリッドというハイグレードな仕様を実現しました。
ケーブルといえば、オルトフォンです。C1011により新生MkⅡとして生まれ変わったSPK-Blueのサウンドを、ぜひ一度お試しください。
※写真や図版の色彩は、画面上の表示の関係で実際とは若干異なる場合がございます。また、規格・仕様・デザイン・価格の一部を予告なく変更することがありますのでご了承ください。
SPECIFICATION
●導体種類:C1011 4N-OFC、銀メッキ銅線 ●ケーブル径:Φ8.0㎜ ●耐電圧:AC500V /1分間 ●絶縁材:ポリエチレン、PVC ●導体面積:1.25㎟×2本 ●導体抵抗:16mΩ/m ●シールド:錫メッキ銅編線、0.12㎜×8本を16組 ●JAN:4571106664657
DETAILS
Ⅰ.C1011 4N-OFCについて
Reference SPK-Blue MkⅡでは、銀メッキ銅線とのハイブリッド導体にC1011 4N-OFCを採用しています。この素材は無酸素銅(Oxygen-Free Copper、OFC)の中でも特に純度が高く、銅純度が99.99%以上であることを日本産業規格によって規定されています。つまり、完全な4N(4-Nine、99.99%)以上の純度であると認証された導体だけがC1011と定義づけられます。また、このC1011とはJIS H 3510によって定められた合金番号を指し、その規格には導体素材に含まれる酸素およびその他不純物の含有許容値や、導体成分の分析を行う試験方法に至るまでが厳格に規定されています。それに対し、一般的な無酸素銅(JIS H 3100によって純度99.96%以上と定義、酸素以外の不純物含有許容値は項目そのものが存在しない)にはC1020の番号が付与されており、両者は異なる素材として扱われています。
その上で、今回オルトフォンが採用したC1011 4N-OFC導体はJIS H 3510の規格をクリアしていることはもちろん、これを証明するために第三者機関によるJIS認証を取得しています。いわば4N以上の純度であることを公的に認められた導体であり、さらに実際の測定値ではJIS H 3510規定の許容値よりも更に低い酸素含有量を誇ります。
また無酸素銅のグレードをあらわす米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials、ASTM)のASTM-F68規格に照らし合わせると、5段階の最上位であるClass 1に対応した非常に高品位な導体です。
Ⅱ.Reference SPK-Blue MkⅡの特徴
Reference SPK-Blue MkⅡには、先代モデルの初代Blueで好評を頂き、かつてのSPK-3100/3900 Silverより連綿と受け継がれてきた導体である銀メッキ銅線をひとつ目のハイブリッド導体として採用。オルトフォンは1980年代にカートリッジのコイル巻線に純銀線を用いたことを発端とし、これまでに高純度銀線、金銀合金(Electrum)線、銀メッキ銅線などのシルバー導体を数多の自社製品に採用してきました。
その中でも本ケーブルに用いた銀メッキ銅線は、高品位なシルバーの煌きを手軽に味わいつつ、銅のニュートラルな音色との相乗効果も得られる理想的な導体です。
これとC1011を独自の配合比率でハイブリッドすることで、シルバーに特有な高音域の煌びやかさと低音域の厚み、C1011の素直なレンジ感とニュートラルさをバランスよく両立させた逸品となりました。システムのサウンドにメリハリを付けたい場合にもおすすめです。