レコード愛好家の皆様に「オルトフォンといえば?」とお伺いした場合、多くの方はSPUシリーズやConcordeシリーズの名を挙げることでしょう。特にSPUシリーズは、誕生から60年以上を経て今なお現行品として皆様に愛され続けている、まさに生ける伝説ともいえる存在です。このオルトフォンの象徴ともいえるSPUを、更に多くの皆様に楽しんで頂きたい。その思いから、オルトフォンはSL-1200シリーズでSPUを使用するためのサブウェイトOP-1200-SPUを製作しました。
同シリーズに搭載されているトーンアームは、針先→ヘッドシェルコネクター間がSPUと同じく52㎜に設定されていること、質量の大きい(重い)カートリッジに対応可能な自重の範囲が幅広いためにSPUシリーズとの相性が良好であり、さらには操作やセッティングも容易であることから、多くの皆様にSPUをお楽しみ頂くにはベストなパートナーであるといえます。このサブウェイトOP-1200-SPUが、SPUサウンドへの入口として皆様のお役に立てることを願ってやみません。
注意事項
Ⅰ.SL-1200シリーズのうち、初代モデルのアームウェイトシャフト後端には本製品の取付ネジ穴が開けられていないため、使用は不可能です。また、他のSLシリーズにおいてもウェイトシャフト先端にM4のサブウェイト取付用ネジ穴が開けられていないトーンアームへの取付は不可能です。
Ⅱ.初代モデルを除くSL-1200シリーズ以外のプレーヤーやトーンアームに本製品を装着する際は、取付先機器側のスペックデータを参照の上、ご自身の判断でご使用下さい。
Ⅲ.SL-1200シリーズのトーンアームに付属するカウンターウェイトは、機種によって若干の重量・サイズ違いが存在します。弊社公表のスペック一覧に掲載したカートリッジ対応自重は数値に多少の余裕をもたせておりますが、あくまで目安値とお考え下さい。
SPECIFICATIONS
●カートリッジ対応自重(SL-1200MkⅡ以降のモデル使用時の目安値、ヘッドシェル含む) ・メインウェイトのみの場合:28~32g ・追加ウェイト「小」併結時:32~36g ・追加ウェイト「大」併結時:36~38g ●針圧の加圧対応最大範囲(目安値):3.5~5.0g、一部箇所では4.0gまで ●ウェイト取付部分のネジ径:M4 ●ウェイト長さ:15㎜(ネジ部分除く、メインウェイトのみ)/17㎜(ネジ部分除く、追加ウェイト「小」併結時)/18.5㎜(ネジ部分除く、追加ウェイト「大」併結時)
FEATURES
OP-1200-SPU最大の特徴は、かつて純正品として生産されていたサブウェイトSH-1200W-SのSPU用ウェイト(カートリッジ本体+ヘッドシェル自重範囲30~33gまで対応)よりも更に対応自重の範囲を広げ、より自重の大きなSPU GTXシリーズ(38g)やCG25・65シリーズ(37g)の使用を可能としました。またウェイト本体をニ分割式の真鍮切削加工としたことで、ウェイト自重の精度を保ちつつSPUシリーズの中では軽量なSPU Synergy(Gシェルモデル、自重28g)にも対応可能としています。ニ分割式ウェイトのうち、メインウェイトのみの使用時にはヘッドシェルを含む対応自重28~32g、メインウェイトに追加ウェイト「小」併結時には32~36g、同じくメインウェイトに追加ウェイト「大」併結時には36~38gまで(いずれも目安値)のカートリッジが使用可能となりました。なお、本製品はSL-1200シリーズで弊社SPUシリーズを使用することを念頭に開発されておりますが、カートリッジ本体とヘッドシェルを合わせた自重がSPUシリーズと同程度の製品(例:オルトフォンのMC DiamondとLH-10000、自重33~34g程度)の使用にも対応可能です。
OP-1200-SPUは、SL-1200シリーズのダストカバーを下ろした状態でレコード再生を行っても接触しないよう、かつての純正ウェイトと同様にトーンアーム取付時の奥行を狭めた薄型形状としています。また、トーンアームの動作支点となるピボット部分からウェイト重心位置間の距離を極力短いままとすることも考慮された結果、円盤状のサブウェイトとなりました。
なお本製品はSL-1200シリーズを用いた通常の音楽再生中にダストカバーに接触することはありませんが、ダストカバーの取付具合やSP盤などレーベル面の直径が小さい盤の再生時には、カートリッジの針先がレーベル面至近の再内周あたりまで至った際に本製品の側面がSL-1200シリーズのダストカバー側面と接触する可能性があり、針先やレコード盤に過大な負荷がかかる恐れがあります。したがって、レコード盤音溝のカッティングが最内周付近まである場合や、音楽再生の終了後、直ちに針を上げずに最内周の無音溝までトレースを行う可能性がある場合は、必ずダストカバーを外した状態で再生を行ってください。