TA-Base/SME
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SMEのベース穴に、オルトフォンのアームを。TA-Base/SME、誕生

Regular price¥38,500
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レコード再生機器の歴史を語る際には、オルトフォンとともに英国SME(The Scale Model Equipment Company)社について触れずにはおれません。オーディオをこよなく愛した創業者のアイクマン氏は、ステレオ黎明期にいち早くSPUを愛用していました。彼はStereo Pick Upの名を冠したこのカートリッジを、RMG/RMAシリーズなどの純正トーンアームとはまた違ったアプローチで楽しみたいと願いました。これを発端として、彼は自社の精密工作機械と加工技術を駆使し、当時としては驚異的な高精度を誇るトーンアームを完成させます。後に3012と呼ばれたこの製品は、世界中のトーンアームに多大な影響を与えました。SME 3012はシリーズを重ね、ショートモデルの3009やセミロングモデルの3010なども加えながら今なおトーンアームの銘品としての名を不動のものとしています。これらのモデルにオルトフォンのSPUやその他カートリッジを装着し、流麗な姿とともにその音色を楽しんでいる方も極めて多く、弊社純正トーンアームを除けば最もベストマッチな「定番」の組み合わせといえます。しかし、現代の弊社ラインナップのうち、昇圧トランスを内蔵した現行のSPU GTシリーズやCGシリーズ、重量級のヘッドシェルと組み合わせたMC Diamondなどは自重が37g前後に至ります。SME社製トーンアームは対応自重が30g台前半までのものが多く、こういった重量級カートリッジへの対応が難しい場合もあります。これをカバーすべく、オルトフォンはレコードプレーヤーのSMEベース穴にオルトフォンのトーンアームを取り付けるためのスライドベース、TA-Base/SMEを開発しました。

またトーンアーム交換を検討する場合、アームレスプレーヤーではそのほとんどの機種でSME用ベースがオプションとして設定されています。特に9インチのショートアームでは弊社212シリーズとSME社3009シリーズの長さが近似しているため、スライドベースの可動幅内に無理なく収めることができます(「取り扱い上のご注意」もお目通しください)。

トーンアームを交換してカートリッジとの相性を追い求め、より好みの音色をつくり上げてゆくことはアナログ再生の醍醐味です。TA-Base/SMEがこのハードルを下げたことで、より深いアナログ再生を楽しむための一助となれれば幸いです。

SPECIFICATION

●本体材質:アルミニウム ●自重:37g(目安値、取付ネジ除く) ●JAN:4571106664879

※写真や図版の色彩は、画面上の表示の関係で実際とは若干異なる場合がございます。また、規格・仕様・デザイン・価格の一部を予告なく変更することがありますのでご了承ください。

SMEベース穴の互換と拡張を可能とする、スライド式アームベース

TA-Base/SMEは、レコードプレーヤーのキャビネットに開けられたSME用ベース穴にオルトフォンのトーンアームを取り付け可能としたスライドベースです。先に述べたとおり9インチのショートアーム同士であれば可動幅内に収まりますが、12インチのロングアームは大幅に長さが異なります。これに対応するため、TA-Base/SMEはSME社の純正ベースよりもスライドの可動幅を広げて更に余裕をもったセッティングを可能としています(後述の取り扱い上のご注意ⅠおよびⅣもお目通しください)。

様々な環境下での使用を想定した、アルミニウム切削のボディ

本製品は、プラッター部分が薄く、アーム高さを上げられないフォノモーターでの使用も想定してベース底面→フランジ天頂部までの全高(ゴムのグロメットを除く)を低くしています。また、フローティング式プレーヤーでの使用も考慮に入れ、本製品の自重がプレーヤー取り付け時の障害とならぬように不用意な重質量化を避け、自重を37gとしました。その結果、主要部品を切削加工のアルミニウム製としています。

直径18㎜と20㎜のアーム軸に対応、差し替え式のリング状フランジ

オルトフォンの歴代トーンアームは、AS-212/309SおよびRでは直径18㎜、ほか多くの旧製品(RMG/RMA、上記を除くASシリーズなど)では直径20㎜の中心軸径を採用しています。そのため、このTA-Base/SMEでは中心軸を挿して固定するフランジ部分を着脱式とし、直径18㎜と20㎜の双方に対応可能としました。また、トーンアームの中心軸径が18㎜もしくは20㎜のトーンアームであれば、オルトフォン製アームに限らず使用することが可能です。なお、他社トーンアームと本製品を併用の際は、当該トーンアームのスペック値をご確認の上、正しい位置でセッティングを行ってください。

取り扱い上のご注意

Ⅰ.英SME社のトーンアームは、アーム軸中心→センタースピンドル間の距離が
・3009シリーズなどの9インチ(ショート)は8 1/2インチ(215.4㎜)前後
・3010シリーズなどの10インチ(セミロング)は8 3/4インチ(222.0㎜)前後
・3012シリーズなどの12インチ(ロング)は11 9/16インチ(294.1㎜)前後となります。
(※上記数値は、取付作業の参考例として英SME社の3009/3010/3012-R用カタログ発表値より抜粋。シリーズや機種により若干数値が異なりますのでご注意ください)
オルトフォンのトーンアームを取り付ける際には、9インチ(同箇所寸法212/214/218㎜、機種による)のモデルは215.4㎜の3009および222.0㎜の3010シリーズに近似のためベースの可動域内に収まりますが、12インチ(同箇所寸法309/311/315㎜、機種による)モデルは294.1㎜の3012シリーズに比べ長くなっています。これに対応するため、TA-Base/SMEはベース可動域を純正のものより広げ、±22.5㎜としました。

Ⅱ.プレーヤー側のキャビネットに開けられたSMEベース穴のうち、9インチの3009用と10インチの3010用はアーム軸中心→センタースピンドル間の距離が似通っており、判別が困難な場合があります。10インチアーム用に開けられたベース穴に9インチアームを取り付けた場合、スライド位置を最内周まで寄せても正しいベース位置に合わせられなかったり、楕円形のベース穴に追加工を要したりする場合がありますのでご注意ください。

Ⅲ.上記Ⅰにて示した寸法や取付の位置関係は、英SME社により製品に付属されている取付用ゲージに沿った向きでベース取付穴が開けられている場合を想定したものです。取付穴の向きが異なる場合は、上記寸法を参考の上で事前に取付可否をご確認ください。

Ⅳ.上記Ⅰの理由により、本製品は英SME製品の純正ベースプレートよりも可動域を広げてあります。この可動域を全幅にわたって使用する場合、既に加工されているベース取付穴を拡幅するための追加工を要する場合があります。その場合は、製品付属の取扱説明書とベース穴用テンプレートをご参照の上で作業を行ってください。ご自身での作業が難しい場合は、オーディオ専門店様などにご相談ください。なお、弊社でのプレーヤー側ベース加工は承っておりません。

Ⅴ.RS-212/309D、RSG-309は軸径の都合上、本製品での使用はできません。


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